yosak's diary

忘備録と備忘録

2月日記(13日)

2/13
新宿バルト9にて『哀愁しんでれら』を鑑賞。
「シンデレラ」のタイトル通り、シンデレラストーリー的な結婚や、子育て(ネグレクト、虐待)、格差、モンスターペアレントなどの「要素」を、ある種、戯画的に描いたブラックコメディ。
その戯画的な演出のため、序盤は正直「観る作品間違えたかな?」と思ったが、登場人物の裏が見えてくる中盤からはなかなか面白く観られた。田中圭のどことなく幼児性の残る喋り方、娘役のCOCOの可愛さと憎らしさが混ざった表情が良い。
一方で結婚、子育てに関する社会問題を、あくまで作品の「要素」としてしか捉えてない印象で、これを「問題」としてもっと深掘りしてたらより面白かったと思う。同じ題材でヨルゴス・ランティモスが撮ったら面白そう。撮るわけないけど。

昼食はシネマート新宿近くにある「貝出汁中華そば 貝香屋」にて特製醤油そばを食す。
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(チャーシューが小ぶりだったということで一枚サービスしてくれた。嬉しい心遣い)
「モツ煮込み沼田 はなれ」の限定業態変更らしい。このご時世、居酒屋系は大変だろうから、頑張ってほしい。
元々、沼田は料理も美味しかった印象だったが、このラーメンも鶏清湯ベースに程よい貝風味でとても美味しく、スープまで飲み干してしまった。歌舞伎町の「我論」もそうだが、居酒屋の二毛作とは思えないクオリティの高さ。場所柄この手の業態変更が流行るかも?

2本目は新宿ピカデリーにて『マーメイド・イン・パリ』を鑑賞。
オープニングのクレイ風アニメーション、奇想天外な超飛び出す絵本、突如現れるトゥクトゥク、などなど物語の世界観や小道具は、色とりどりでユーモアがあってとても好みで飽きずに楽しく観られた。美しい歌声で恋に落ちた男の命を奪う人魚と、恋を棄てた歌手のファンタジーロマンスストーリー。フランスの作品ということもあり、『アメリ』以降のジャン=ピエール・ジュネの作品を少し想起した。

妻と合流して3番目、シネマート新宿にて『悪魔の植物人間』を鑑賞。
フランケンシュタインの怪物』ミーツ、トッド・ブラウニングの『フリークス』という趣き。クライマックスのフリークス団が取り囲むくだりとかそのまま過ぎて、場内から少し笑いが起こる。
というか、こんなにじっくりと見世物としてのフリークスを映した映画、今じゃ絶対無理だろう。ワニ女に目玉男。そりゃオーケンも喜び勇んで観に行くわ。小人はいたが空気女はいなかった。
オープニングの植物の成長の早回しを不気味なものと捉えた見せ方は良かった。音楽も不穏で好み。植物人間のクリーチャーも手作りならではの不気味さがあって良い。
新作の公開が少ない今こそ、もっとこういう普段ならわざわざピックアップされないマイナー映画を取り上げる企画をやってほしい。