yosak's diary

忘備録と備忘録

1月日記(23〜24日)

お昼は、渋谷の「ちばから」でラーメンを食べた。
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「検査後しばらくは脂っこい食事は控えるように」と言われ、2日我慢したが誘惑に負けて。無駄な抵抗としてアブラ少なめでオーダー。ああ美味い。こんなにお肉デカかったっけ?

ヒューマントラストシネマ渋谷にて『チャンシルさんには福が多いね』を鑑賞。
タイトルや予告の雰囲気から、何となくほんわかとした感じをイメージして敬遠してたが、観てみると、厳しい状況に生きるアラフォーの女性をクセのあるユーモアと優しい視点で描いたオフビートコメディの良作だった。
本作の監督、キム・チョヒは、元々ホン・サンス監督のプロデューサーをしていたらしく、この主人公、チャンシルさんは自身の経験を投影しているよう。
好意を寄せた男性との、映画談義を交わすシーン、「小津安二郎よりクリストファー・ノーランが好き」というくだりで場内爆笑が起きていた。
主人公のチャンシルさんはもちろん、大家さんや、レスリー・チャンの幽霊などキャラが立っていてとても魅力的。
主人公の境遇など、少し『私をくいとめて』を連想させられる内容。
作品のタイプは異なるが『はちどり』や『82年生まれ、キム・ジヨン』等、近年の韓国映画は「女性」を描く女性監督が活躍し、ちゃんと評価されているよう。良いことだ。

松濤美術館にて『舟越 桂 私の中にある泉』を鑑賞。
彫刻の展示方式に驚く。柵やガラスケースなどがなく、剥き出しの状態で展示されている。直で触れられるほどの距離で観ることができる。人間を象った彫刻を、人間相手ではあり得ない距離感で食い入るように見る異様な感覚。虚ろな目をした異形の彫刻たち。何処を見てるのか?美しいけど少し不安を感じるような、奇妙な感覚。
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シネマート新宿にて『KCIA 南山の部長たち』を鑑賞。
1979年に起きた朴正煕暗殺事件を実行犯 金載圭の目線から描いた骨太作。上から下から横から板挟みされる部長職の苦労みたいなことを想起してしまう。朴独裁政権の終焉を丁寧に描いている。
クライマックスの滑って転倒するシーン。緊迫した場面の中に唐突過ぎて、演出なのかハプニングをそのまま採用したのか判断に迷う(たぶん演出なのだろうけど)。どちらにしろ、あそこであれを入れる演出は凄い。
今まで、この事件に関して、金載圭寄りの立場から描いた作品はあまりなかったように思う。下記はwikiの情報だが、

2017年5月20~22日に世論調査専門機関リサーチビューが行った歴代大統領の好感度調査(歴代大統領から最も好感を持つ人を1人だけ選ぶ調査)で25.2%を記録し2位であった(1位は54.2%を記録した盧武鉉)。世代別では60代と70代以上で1位となった。60代は42.5%、70代以上は55.0%が朴正煕を選んだ。しかし、20代で朴正煕を選んだのはわずか2.7%、30代は4.1%、40代は11.4%、50代は26.5%で、1位の盧武鉉に圧倒的な差をつけられた。20代と30代では盧武鉉金大中の後塵を拝して3位となり、40代でも3位の金大中と1%しか差がなかった。

とあった。朴正煕を独裁者として否定的に描くことができたのは、大統領自身の好感度の世代差が影響されているのかもしれない。
本作に限らず、自国の歴史の負の部分と向き合い、作品として落とし込める韓国映画界の成熟具合は羨ましく感じる。

新宿ピカデリーに移動し、『さんかく窓の外側は夜』を鑑賞。
これは面白くなかった。コミックが原作らしいけど、BS連続ドラマとかの方が向いている内容。2時間でまとめるには無理がある。キャラは立ってそうなのに勿体ない。特殊バディものとしていけそう。ちょっと懐かしの『ナイトヘッド』ぽさもあるが。
あと劇伴がうるさい。劇伴音楽は物語の状況や人物の心情に沿わないといけないのに、今作の劇伴は物語を無視してお洒落っぽい音を鳴らしているだけで、ただのノイズになっている。酷かった。