yosak's diary

忘備録と備忘録

1月日記(16日)

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アップリンク吉祥寺にて『声優夫婦の甘くない生活』を鑑賞。
崩壊前の旧ソ連からイスラエルに移民した老声優夫婦の物語。シリアスな時代背景のもと、抑制のきいた表現で笑いと愛を描いている。じんわり沁みる良い映画。夫婦の愛情のズレの描写など身につまされるものもある。
夢を抱えてきた新天地で、思うような仕事がなく、仕方なく就くのが、テレフォンセックス嬢、ビラ貼り仕事、海賊版ビデオの吹き替えてのは、笑いとして描いてるが、ハードな話。加藤登紀子の日本語カバーで知られる「100万本のバラ」が印象的にフューチャーされる。
ちょっと長めのオリジナルな邦題(原題はGolden Voices)は、たびたび劇中でもたびたび言及されるフェリーニ監督、その代表作『甘い生活』からのインスパイアだろう。これは良いセンスのタイトル付けだと思う。

三鷹に移動し、「くじら食堂 bazar」で特製醤油ラーメンを食べる。
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岡山県のご当地ラーメンで、笠岡ラーメンというらしい。鶏出汁の旨味、甘味とほんのりとした苦味、青ネギのスッキリした辛味も加わりとても美味しい。手揉み麺も好み。どっさりと乗った歯応えある鶏肉が特徴的。

アップリンク吉祥寺に戻り『43年後のアイ・ラヴ・ユー』を鑑賞。
ベタベタだけど、やはりクライマックスの演劇のシーンで起きる小さな奇跡はグッとくる。あそこは役者としての見せ場でしょうな。
ブルース・ダーンお爺ちゃんと孫の関係性が素敵。
個人的に公式HPのコメントにびっくり。

続けて『ホモ・サピエンスの涙』を鑑賞。
前作『さよなら、人類』と同様、1シーン1カット、で紡ぐショートスケッチコメディ。CGをほぼ使わずに巨大なスタジオに手描きセットを建てて撮影された作品。
カットごとが絵画のようで、ポストカードにしたくなる魅力的な映像。その世界観で綴られる小さな物語。そこに登場する市井の人々の悲しみ、怒り、喜び、可笑しみ。掌編ごとに明確な起承転結があるわけではなく、話によっては導入部だけで終わる話もある。ひとつひとつは何気ない、だけど心に残る物語の数々。印象としては、一編の詩のような、どことなく種田山頭火の自由律俳句ような、直接的な表現ではなく、余白のある作りで、受け手の想像力に委ねるイメージ。