yosak's diary

忘備録と備忘録

11月日記(21日〜23日)

11/21

池袋 新文芸坐にて、いまおかしんじ監督作『れいこいるか』

描きたい場面への欲が先に出過ぎているのか、脚本の粗が目立つ(夕方に出て行って、翌朝の5時頃まで浮気してるの?青空脚本教室?いつの間に視力回復したの?などなど)が、登場する市井の人々が持つ人間力がそこを凌駕している。不思議と心に残る作品。

上映後の舞台挨拶トークショーで登壇された出演者の西山真来さんが「この作品(6.7回)観ているが、今まで気がつかなかったような細かな台詞が今日初めて聞こえた」という旨の話をされてた。確かに新文芸坐の音はいつももの凄く良く、担当の方がこだわって調節されているのがよくわかる。映画館でしか観られない映像、聴けない音というのは確かにある。


11/22

門前仲町の「司」にて昼食。

基本、食事代が1500円を超えたら、どきどきしてしまう小心者なので、3000円近いマグロ丼をほぼ気絶しながら食べた。それでも美味しかった。

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その後、東京都現代美術館で開催中の『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』へ。

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わかってはいましたが、圧巻。

映画の衣装デザインのイメージが強かったので、初期の広告仕事は新鮮。

とくに印象に残ったのは一連のPARCOの広告。写真の現像技術で、古い作品だと判断できるが、デザインやコンセプトは今でも通用する、今だからこそより強い意味を持つ広告で、これを70年代にやってのけた先見性に驚いた。

マイルス・デイヴィスとの仕事でのラフ企画書も見れた。先方の要望と自分のやりたいデザインが全く違う中、要望に沿ったものを見せ球に数点ラフ案を作成し、徐々に自分やりたい方向に持っていく流れ、そのデザインへのこだわり(akaダメ出し)が垣間見れて、ワクワクしてしまった。

舞台衣装で一番衝撃的だったのは、Mバタフライの衣装。その繊細で豪華な美しさに、大袈裟ではなく腰が抜けそうになった。

同時に舞台衣装にここまで予算と時間を掛けられた80年代にも驚いた。

個人的に一番楽しみにしていたターセム・シンとの映画仕事関連の実物展示が少なめだったのは残念。

とてもじゃないが一度では消化しきれない盛りだくさんの内容だったので、間を置いてもう一度観に行きたい。

鑑賞後、脳が疲弊したのか甘いものが食べたくなり、美術館地下にあるレストランでラム酒をかけて食べる大人のティラミスを食す。美味しい。


11/23

駒場東大前の日本民藝館へ『アイヌの美しき手仕事』を観に行く。

歴史的なことは不勉強なのだが、直線的な帯状の布地に渦巻状の刺繍を組み合わせた独特なデザインにはどのようなルーツがあるのだろうか?文様には魔除けの呪術的な意味合いがあるという話も聞いたことはあるが。

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